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月面直下のどこにでも水がある、NASAの驚きの研究結果

隕石の衝突で放出される水を検出、月は「非常にアクティブで刺激に敏感」
荒涼とした景色が広がる月はどうやら、科学者たちが想像したよりもはるかにたくさんの水をたたえているようだ。

月の塵と大気を調査するために送り込まれたNASAの探査機LADEE(ラディ―)が、隕石が衝突する際に月面から放出される水を検出した。4月15日付けの学術誌「Nature Geoscience」に掲載された論文によると、微小な隕石が衝突する際の衝撃によって、年間最大220トンもの水が放出されているという。月面付近には、これまで考えられてきたよりもはるかに大量の水が存在することになる。

「あまりに大量の水だったため、探査機に搭載されていた機器が、大気中の水をスポンジみたいに吸収したのです」。研究を主導したNASAゴダード宇宙飛行センターの惑星科学者、メディ・ベンナ氏はそう語る。

 この発見は、月がそもそもどのように形成されたかを理解する新たな手がかりになるだろう。また、今後の有人ミッションにも影響を与えるに違いない。その際には、月面の水分を水分補給や推進力の確保に活用できるかもしれない。

「これまでずっと、月は非常に静かで寂しい場所だと考えられてきました」とベンナ氏。「今回のデータによって、実際の月は非常にアクティブで刺激に敏感であることがわかりました」

月に降り注ぐ流星群
 ある程度の水が月に存在することは以前から知られていた。その大半は、ずっと日が当たらないクレーターの日陰部分にある氷に閉じ込められているか、あるいは表面からずっと深いところに隠されていると考えられてきた。

 月に水がもたらされる経路には2種類ある。太陽風に含まれる水素が月面にある酸素と反応し、さらに月の岩石と作用して含水鉱物となる、というものが1つ。もう1つは、月面に衝突する彗星や小惑星に水が含まれるケースだ。

 しかし、NASAの探査機LADEEが収集した新たなデータによって示されたのは、意外な事実だった。LADEEが軌道をめぐる間、地球と同じように流星群が月に降り注ぐのを観測していた。

 毎年決まった時期に、地球と月は、彗星の軌道と交差する。彗星の中にはたくさんの岩屑をまき散らすものがある。そうした置き土産の大半は、地球の大気圏では燃え尽きる。この現象はふたご座流星群、ペルセウス座流星群、しし座流星群などの名称で呼ばれる。一方、空気のない月では、それらの隕石は月面に衝突する。

「何百万という数の細かい岩石が、雨のように降り注ぎます」と、ベンナ氏は言う。「われわれは29回の隕石群を確認しました。そのすべてが彗星と関連していました」

 こうした小さな粒子が月面に衝突する際、いちばん上にある細かい表土の層(レゴリス)を舞い上げる。そのおかげで、地表からわずか7.5センチメートルほど下の層に、予想よりもはるかに多くの水があることが判明した。

「こうして放出され、失われる水の量は、太陽風によって運ばれてくる水素や、微小隕石自体によってもたらされる水では埋め合わせることができません」と、ベンナ氏は言う。「つまり、月の土壌にはこれら2つでは補充し切れないほどの水が存在することになります。これを説明するには、月には太古の昔から蓄えられてきた水があり、それが長い時間をかけて徐々に枯渇してきたと考えるしかありません」

なぜ地球よりも水が少ないのか
 ベンナ氏のチームは、月面の数センチメートル下には、水がほぼ均等に存在していると推測している。これは、月には太陽風や彗星から運ばれてきたものよりもたくさんの水があることを意味する。

 太陽系ができたての頃、巨大な若い惑星同士が衝突し、宇宙空間に放たれた岩屑が2つのまとまりになり、互いの周りをバレエのようにグルグルと回り始めた。これが月と地球ができた経緯だ。結果として、月と地球は歴史の一部を共有することになったが、地球にある量と比べてなぜ月にあれほど水が少ないのかについては、これまで明確な理由はわかっていなかった。

「これは重要な論文です。なぜなら、今起きている水の放出を測定しているからです」と、米ブラウン大学の惑星科学者、カーリー・ピーターズ氏は言う。

 研究チームのデータは、月の起源や、それほど大量の水をどのように獲得したかを解明しようとしている科学者たちの役に立つだろう。

「とてもワクワクしています。研究チームはすべての経緯をとらえています。水が外気圏に移動し、それが月面に戻るか、あるいは宇宙へ消えていくまでを観測しているのです。これは本当に重要な発見です」

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